2026.6.5
ご応募ありがとうございました。
審査の結果、次の5点が入選と決まりました。
・最優秀賞
受賞者:松岡 幸歩
所 属:九州工業大学大学院 工学府 建設社会工学専攻
題 名:むすびでほどく-住宅地に点在する日常の行為をひらく建築-
・優秀賞
受賞者:(グループ)京都工芸繊維大学 木下昌大研究室
所 属:京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻
題 名:伊根町プロジェクト
・優秀賞
受賞者:琴尾 充稀
所 属:中部大学大学院・工学研究科・ 建設工学専攻
題 名:還る家、継ぐイエへ-所有から考える陶都の共同体再編-
・奨励賞
受賞者:(グループ)ダンチとフクシのミライをデザインする~8大学連携プロジェクト~チーム
所 属:京都工芸繊維大、京都橘大学、京都市立芸術大学、京都大学、京都女子大学、京都美術工芸大学、京都府立大学、京都精華大学
題 名:ダンチとフクシ 〜団地の空き住戸を活用した地域福祉の実践プロジェクト〜
・奨励賞
受賞者:(グループ)都市デルタ総合研究所
所 属:早稲田大学大学院・創造理工学 研究科・建築学専攻
題 名:積層する住まいー団地上層部を地盤としたまちの骨格となる住宅街―
今年の学生賞は質量ともに記憶に残るものになった。応募作品も多く、内容的にも粒揃いであった。団地、地域の再生に対する学生たちの感覚が、確かな知的な地層の上に育ってきていることを実感させられた。時代は明らかに変わっている。前に動いている感覚が嬉しい。
今から20年も前のことになるが、フランス文学者で住宅や家族に関する著作でも知られていた西川祐子先生(故人)にお話を伺った折に、これからの住まいや地域を考える上で大事になる概念を教わった。今でも私の心に刻まれている。それは「弱い個人を結ぶ柔らかな絆」という概念である。西川先生は、かつての封建的な家族制度の下では家父長だけが「個人」であり、しかもそれは富に裏付けられた「立派な個人」であったと仰る。それに対して、今は富もなければ従える家族もいない。皆が「個人」になりはしたものの、とても「弱い個人」ばかりだと。現実に単身世帯も増えている。そういう時代に必要なのが、「弱い個人を結ぶ柔らかな絆」だと仰るのだ。かつての家族制度のような「かたい絆」ではなく、もっと「柔らかな絆」。それがどういうものなのかを具体的に考えることが時代の課題だと教えられた。
今回の最優秀賞受賞作「むすびでほどく-住宅地に点在する日常の行為をひらく建築-」を見て、私は西川祐子先生の示された概念の具体像の一つを得たと思う。
優秀賞、奨励賞を受賞した作品はどれも、審査委員の先生方が講評で書かれているように、充実した内容のものであり、私にとっては最優秀賞受賞作と同じように明日への希望を与えてくれる力作ばかりであった。今年もとても楽しい審査の時間だった。応募して下さった学生の皆さん、どうもありがとう。